柔術について
身空で練習する技について、指導内容の一部を記載致します
表面的な形の真似ではなく、技の理を解析し、 身体の使い方自体を変えていきます
人間は僅かな動きや初期運動、筋肉の張りや貯め等による視覚情報や触れられた時の圧力、筋肉の硬さ、力がかかる方向や距離を無意識のうちに判断し対応しようとします。 人の本能に刻み込まれたこのような予測反応のプログラムに対し、反応させない、又は迷いを与える事で相手の大きさ(重さ)や筋力を無力化し対応出来る技が柔術です。 |
身体の重さを利用する3つの要素
筋力による動きは視覚、触覚共に相手に察知される一番大きな要素となります。筋力に頼らずに大きな力を発生させるには、自分の身体の重さを利用しますが、その為に必要な3つの要素があります。
①脱力
無駄な力を取り除き、全身を一つの水袋のように連動させます
②姿勢
部分的な重さではなく、足先から頭まで、全ての重さを利用できるようにします
③重心
僅かな重心の移動から技を行う事により、重さを相手に伝えるようにします
筋紡錘に対し、反応を防ぐ3つの要素
相手に触れた際、骨格筋の中の筋紡錘という受容器が、圧力や方向を察知し、脳に情報を与え、抵抗の反応を生み出します。相手の抵抗反応を防ぐには主に3つを要素があります。
①触られた、触れた 部分の固定
触れた部分からの直接の触覚反応を防ぎます
②遠い力の始点
力の位置や方向を察知されにくくします
③骨格への作用
骨に対し力の方向を垂直に働かせる事により筋肉での対応をできにくくします
柔術の独自に技術
相手への抵抗反応を防ぎながらも、相手を動かすには、流派により「鎖骨の詰め」や「繋がり」等、柔術独自の様々な技法が存在します。
筋力を基準とした世界では、何もしていない状態から相手が崩され投げられる光景は魔法のように映るかもしれません。しかし、日本が生み出してきた柔術という秘技は、力学、物理学、解剖学等が応用された動きとしての結晶であり、確実に受け継ぎ、現代に応用していく必要があります。